私は大学でデザイン工学を学び、某ハウスメーカーに就職したものの、希望の職種(現場管理)につけなかったことから、現場監督を募集しているアグレ都市デザインに転職しました。面接で驚いたのは、一般的に離職率が高い施工管理職であるにも関わらずアグレ都市デザインの施工管理職の離職率がほぼゼロだという点でした。
何か裏がある、もしくはからくりがあるとその時は思っていましたが、いざ働いてみると若く活気があり、現場・社内ともに雰囲気がとても良く「良い家をつくる」土壌として社内文化が醸成されていると感じました。じつは、アグレへ入社する前に建築・上棟・完成現場にこっそりと行って、家の雰囲気、現場の雰囲気、大型分譲地の町並みなどを見て、アグレ都市デザインの「家づくり」を社外からも見たのですが、実際に入社してからギャップはありませんでした。
基礎工事は、文字通り家づくりの基礎となる部分で、工程の中でも緊張感を伴う重要な仕事の一つです。それは、配置や形、高さなどの誤差が後の工程に大きく影響を及ぼすため、図面と照らし合わせてミリ単位でのチェックが必要だからです。監督の仕事は、基礎のチェックだけでなく、現場周辺の道路や環境に合わせて、道路使用許可の申請、警備員の手配、近隣挨拶なども行いますが、社内においては図面と相対しながらプレカット図や建具の確認、工程表のメンテナンス、協力業者様への発注など多岐にわたります。当社にとっては多数のPJの中の1棟ですが、お客様にとっては一生に一度の住宅のため、全てにおいて一生懸命に取り組んでいます。
私は、社内だけでなく、現場においても若手の部類に入りますので、常に謙虚にかつどん欲に吸収していくという姿勢を意識しています。現場の職人さんに対して当初は、「職人気質で気難しい(怖い)」という印象を持っていましたが、実際は良い家を作るという共通の目的の中で、お互いを尊重しあいながら良い関係を築けているという印象を持っています。施工管理の仕事は工期の順守や品質の確保といった部分だけでなく、現場の雰囲気づくりも重要な仕事ですので、段取りや納まりに関する話以外にも、プライベートな趣味や話題を通じてコミュニケーションをとるように心がけています。
初めて担当した現場にお客様が入居されて、灯りがともっているところを見たときに、とても感動しました。完成するまで設計士や営業と何度も打ち合わせをしたことや、天候不順やコロナ禍での工程遅れ、納期遅延、完成までの苦労がいくつもありましたが、自分が担当した物件に、お客様が何十年とお住まいになるということを考えると、大きなやりがいとお客様の期待により応えていこうという気持ちになります。
現場監督は専門職として専門性を高めていく職種と思われがちですが、現場では毎日多くの関係者が働いており、いたるところで細かい調整が必要になります。例えば、工程管理一つとっても、遅れていないか、工期に間に合うかの確認をすることではなく、同時進行で物事が進む中、関係者への連絡や素早い段取り、判断をしていかなければなりません。建物は社内外の多くの方と作り上げていくため、間をつなぐ調整力が重要になってきます。難しい判断を迫られることもありますが、常日頃から良好な関係を築くことで多少のイレギュラーなことにも対応できると思っています。